豊田工業大学 研究センタースマートエネルギー技術研究センター
2012年設立 センター長:大下 祥雄
エネルギーの制御
省エネルギー社会に向けた高効率で動作する低コスト高機能半導体デバイスの研究
研究テーマ
- 化合物半導体ヘテロ接合デバイス
- 新機能化合物半導体センサ
- 超低消費電力半導体デバイスとシステム
主な研究内容?成果
① p型GaNゲートを用いたノーマリオフ動作AlGaN/GaN高電子移動度トランジスタ
電力制御用に好適なノーマリオフ動作のAlGaN/GaN高電子移動度トランジスタ(HEMT)をSi基板上に実現
- AlGaNとGaNのエッチング速度比1:50の選択ドライエッチング技術を開発適用して、p型GaNゲートをAlGaN上に形成
- p型GaNゲートをAlGaN上形成した素子(Sample A)で、しきい値電圧:+1.2Vとドレイン電流:380mA/mmを獲得(様々なゲート構造を検討)
作製したHEMTの構造とSample Bの断面像
作製したHEMTの電流-電圧特性
② MgドープGaNへのレーザー照射によるアクセプタの活性化
電力制御用縦型GaNトランジスタの実現に必須な任意場所へのp型層形成をArFエキシマレーザーの照射により実現
- 熱処理炉を用いた活性化と同程度の正孔濃度を実現
- 微細領域の活性化と結晶性のその場観察が可能
Mg添加GaNのレーザー照射活性化システム
微細なマスクを設けてレーザー照射したMg添加GaNの表面の構造とポテンシャル分布
③ p型GaN上に形成したAu/Ni電極の熱処理による低抵抗化
電力制御用縦型GaNトランジスタに不可欠なp型GaN層への低接触抵抗オーミック電極を実現する電極構造、熱処理条件とその低抵抗化メカニズムを解明
- Au(10nm)/Ni(10nm)構造をp型GaN層上に形成した試料を、610℃で2分30秒間、N2雰囲気で処理することにより,良好な表面状態と3Ω?cm2の特性接触抵抗を獲得
- 610℃以上の熱処理で金属Niは,ほぼNi酸化物に
熱処理温度に対する特性接触抵抗と表面状態の関係
各熱処理試料のNi 2p3/2信号
④ 1対の電子チャネルと正孔チャネルを有するAlGaAs/GaAs/AlGaAsヘテロ構造ダイオードの特性
AlGaAs/GaAs/AlGaAsヘテロ接合を用いたスーパージャンクション(SJ)構造は,低オン抵抗かつ高耐圧なパワーデバイスに好適。結晶成長時の残留不純物である炭素©とp型チャネル形成用Cアクセプターの合計不純物濃度がn型チャネル形成用シリコン(Si)ドナー濃度と一致するように設計し、ダイオードを試作評価
- ダイオードのドリフト領域長52 ?mで約600 Vの高耐圧特性を獲得
ヘテロ構造SJダイオードの(a)熱平衡時と(b)逆方向バイアス時のチャネルの様子
ドリフト領域長22?mと52μmダイオードの逆方向電流-電圧特性
Beowulf型クラスタ計算機による電力ネットワークの制御系設計
研究テーマ
- マルチエージェント制御理論による電力
- ネットワークの自律分散制御
- 電力ネットワーク?シミュレータの開発
- エネルギー管理システムの構築
主な研究内容?成果
①マルチエージェント制御理論によるリアルタイムプライシング
マルチエージェント制御理論の合意制御に基づいて,動的に社会幸福度(Social Welfare)を最大化する自律分散型のリアルタイムプライシングの導出や,低次元部分空間による複数発電機の協調制御手法を提案している.
動的社会幸福度最大化問題
②電力システムのゲインスケジューリング制御
電力系統の安定性の向上させるため,一機無限大母線電力系統のモデルに基づいて,ロバスト極配置アプローチに基づくゲインスケジューリング補償器(Gain Scheduling Controller: GSC)の設計法を開発した.