1.表面原子の再構築による新奇ナノ材料の探索
シリコン等の半導体表面における金属原子等のヘテロエピタキシーや、ガス分子の反応を、幾何学的構造変化や電子構造変化の観察により、原子レベルで研究している。主たる手段はプローブ顕微鏡(STM, AFM)で、超高真空、低温?高温まで観察可能である。
2.太陽電池?燃料電池?人工光合成用材料の研究開発
電池や触媒用の電極材料としてグラファイトが注目されている。グラファイトの表面を人工的に制御することにより、モアレ構造を作ることができ、これを用いて活性な表面を実現する。窒素や水素との相互作用についても調べている。
3.機能性カーボン材料の作製(ダイヤ、ナノチューブ、グラフェンなど)
ダイヤモンド、ナノチューブ、グラフェンなどの、ナノカーボンCVD法により合成する。特にプローブ顕微鏡用探針先端に直接合成することにより、高分解能、高機能性を有する探針開発を行っている。さらにナノ領域での光学的評価手段としての、AFMとラマンが一体化した装置の開発も進行している。
4.大面積単結晶グラフェンを用いた光学素子の開発
CVD法で合成した大面積単結晶グラフェンをチャネルとした光学素子の開発を行っている。特にグラフェンの誘電体(シリコンモノオキサイド)被覆によるドーピング(電子?光学特性)制御について研究を行っている。また、デバイス応用を目指した大面積2層グラフェンの成長についても調べている。
5.三次元顕微鏡中のナノロボットを用いた材料作製や評価
立体走査型電子顕微鏡中で作動するナノマニピュレータにより、表面の微細加工や電気伝導特性、摩擦特性を直接観察しながら行える装置(ナノロボット)を開発している。
6.高感度化学センサー開発(バイオセンサーを含む)
ガスセンサーなどの応用を目指し、カーボンナノ構造を用いたデバイス開発を行っている。電極間にグラフェンやカーボンナノチューブを橋渡しする。
7.自己組織化膜のトライボロジ?超撥水
摩擦力顕微鏡を用いた原子レベルのトライボロジ、及び表面のフラクタル構造を利用した超撥水表面の作製を行っている。疎水性カーボンを利用して、超撥水超親油性のスポンジの開発を行っている。
8.人工股関節用金属材料の耐摩耗性に関する研究
現在の人口股関節素材の寿命は10?15年といわれている。寿命を延ばすためには材料間の摩擦、摩耗を低減することが必要である。現在カーボン材料を用いた新たなコーティング法を企業と共同で開発している。