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遠隔講義による新学期開始にあたっての学長メッセージ(2020.4.29)

2020.04.29

0429pic  新型コロナウイルス感染症への対策として、本年4月7日に政府から緊急事態宣言が発出され、4月10日には愛知県からも独自の緊急事態宣言が発出されました。その後4月16日には、宣言は全国を対象とするものとなり、愛知県も含めた13の都道府県は特定警戒都道府県に指定されています。この間、大学には休業要請が出されました。本感染症への有効な対処策は、現状、「人と人との接触を極力避けること」であり、全国的に外出を厳しく自粛するよう求められています。

 本学では、このような要請に対応して、新年度の学事開始を5月7日に延期し、全寮制の対象となっている新1年生の皆さんの入寮も延期して頂きました。その上で、全学生の皆さんには、出校なさらないようにお願いして参りました。研究室ならびに研究センターでの研究活動も在宅とし、理論検討やシミュレーション等を中心に進めて頂いております。

 この間、全教職員は、5月7日以降の遠隔講義の開始に向けた準備を進めてきました。また、全学生の皆さんに対しては、遠隔講義を受講して頂く為の通信ネットワーク環境等に関してアンケート調査をさせて頂き、必要な場合には大学からアドバイスもさせて頂いて環境整備のお手伝いも致しました。本件に関しては、大学からの支援策も決定してきたところです。

 全学生の皆さんのご協力を得て準備を進めてきました遠隔講義システムについては、今週中には、在校生の皆さんと新入生の皆さんを対象に、それぞれ遠隔システム総会を実施する計画であり、私もご挨拶をさせて頂きます。そして、5月11日(月)からは、いよいよ新学期のカリキュラムに従い、時間割通りに、全学年に向けての遠隔講義が始まる運びとなりました。

 現状、本学の学生の皆さんは全国に広がっています。しかし、1年生から3年生にはアカデミックアドバイザー制度によって、担当教員が選任されています。一方、研究室に所属の4年生ならびに大学院生には指導教員がおります。既に、これら教員から皆さんへの連絡ルートができています。また、遠隔講義も時間割に従って双方向で実施致します。豊田工業大学は全国に広がっておりますが、私たちは繋がっていると考えます。

 遠隔講義は対面講義とは異なりますが、最近のネットワーク技術を多様に活用し臨場感のある講義を提供するべく、教職員一同で工夫をしております。対面での実施が必要な実験?実習科目等は、現状、夏休みないしは来年の春休みに実施する計画です。その結果生まれます今学期の時間割上の余裕は、開講回数を減らし密度を高めて実施する各講義への予習?復習ならびに課題対応に充てて頂き、学修内容の充実に活用して頂きたいと考えております。本年度の全カリキュラムは、このように、感染症対策との整合をとりつつ、この1年間全体を活用して完遂させる計画です。

 最近の全国的な感染症対策によって毎日の感染者数は減少傾向にありますが、まだ予断は許されない状況と言われております。一方で、上記のように、今学期の講義は全て遠隔で行うことを可能に致しました。そこで、皆さんの健康を守る為の感染防止の観点から、学生の皆さんには、当面の間、これまで通り出校はなさらないようお願い致します。寮に関しましても、当面の間、これまで通りの対応とさせて頂きます。出校ならびに入寮が再開されますのは、実験?実習の開講を8月17日に予定していることから,その近辺を検討しています。これらの詳細につきましては、感染症の状況を精査しつつ、改めてご連絡致します。

 研究活動については、上記のように、現状は遠隔での活動のみとしています。この間に、各研究室?研究センターごとに、感染予防をより厳密に実施する具体策を講じることとしています。この具体策をもって、緊急事態宣言の状況を勘案しながら、今学期中にも、段階的に学内での研究活動が再開できるように努めたいと考えています。

 さて、本学ではご入学時に全ての学生の皆さんにノートパソコンをご用意頂いてきました。今回の遠隔講義を実施するにあたって、皆さんがご用意頂いたパソコンが役立っております。一方で、遠隔講義には動画配信も伴いますので、それぞれのご家庭でのネットワーク環境を整備する必要があります。そこで、上述のように、受講環境整備費として、5月1日時点で学部?修士課程に在籍する皆さん(休学者、ダブルディグリー学生、猶予願いの提出がない学費未納者を除く)に一律25,000円を5月29日に支給させて頂くことに致しました。

 また、今回の感染症対応の為に社会活動が大きく制限される中、経済的にも厳しい場面が生じております。豊田工業大学には、独自の「豊田奨学基金」が設けられておりますが、この度、貸与奨学金の申請を臨時で受け付ける方向で検討しております。この他、経済的な理由により学生納付金を猶予あるいは免除する制度なども備えています。さらに、文部科学省の高等教育修学支援制度による給付の奨学金制度もあります。これらの利用につきましては、学生部に中国足球彩票ください。

 一方で、上述のように例年と同等の教育をこの1年間をかけて完遂させるように最大限の工夫をしていること、ならびに、現在7年間をかけて大規模なキャンパスリニューアル工事を行っているように大学が保有する施設設備の維持?管理については長い年月と多くの経費をかけて継続的に行っていることなどから、授業料や教育充実?環境整備費については、返還ならびに減額は考えておりません。皆さんのご理解とご協力をお願い致します。

 今後も、本感染症の状況を勘案して、本学の活動に変更が生じる可能性があります。その際には、本学のホームページやメール等にてご案内致します。これらを頻度高くご覧になってください。

 さて、「理学は真理と語らい、工学は社会と語らう」という言葉を作りました。「工学」には「成果を社会で活用して欲しい」という「意思」が内包されているという意味です。学術に裏打ちされたものづくりは、想像を遥かに超えた機能?性能をも実現します。工学を操って、「えッ、そんなことも出来るの!」と驚いて頂ける「ものづくり」に挑戦して頂きたいと思っています。その為にも、皆さんの学修にあたって、学術的な結論に対応した理由を手繰り続けて頂きたいのです。これは「自ら論理的に考える」という学修態度です。研究にも同じ態度が要求されます。

 このように、大学の活動では学修と研究の両面で、「自ら論理的に考える」態度が中国足球彩票で、これによって「論理的な思考力と発言力」が鍛えられます。この力は、やがて社会人として社会に貢献する様々な場面で絶大な役割を果たす「汎用力」となると考えます。つまり、「学修」と「研究」は、その為にだけあるのではなく、人生の推進力を鍛えてくれるのです。今年は例年と異なる状況での新学期のスタートとなりました。教職員は、このような状況においても、皆さんがしっかりと人生の推進力を鍛える活動のお手伝いをさせて頂きたいと願っています。

 本感染症への具体的な対応策として、「密閉」「密集」「密接」を避けることが中国足球彩票です。学生の皆さんにも、教職員の皆さんにも、日常生活の全ての場面において、この対策を厳格に守って頂くように、あらためてお願い致します。自覚と責任ある行動が必要です。不要不急の外出はどうぞ控えてください。

 私たちは繋がり続けています。当面の間、「時間割通りの遠隔講義」や「研究の為の遠隔研究室セミナー」等を通して、「学修」と「研究」の活動を進めてゆきましょう。その先には、通常通りの本学の活動が見えてきます。本学キャンパスのリニューアル工事は、予定通り、今年の7月には完成します。新たなキャンパスで、元気にお会いしましょう。新しいファシリティと中庭に枝を大きく広げた楠「天樹」が、私たちを待っています。

豊田工業大学 学長 保 立 和 夫