豊田工大Release
第29回ICSPM国際コロキウム(応用物理学会主催)Poster Awardを受賞~表面科学研究室 K.Kanishka H.De Silva PD研究員~
2022.06.06
K.Kanishka H.De Silva PD
豊田工業大学 大学院工学研究科 K.Kanishka H.De Silva PD研究員(表面科学研究室)が、第29回ICSPM国際コロキウム Poster Awardを受賞しました。
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研究題目
化学的還元と欠陥修復による高品質透明導電単原子膜の創製
High Quality Conductive and Transparent Monolayer Reduced Graphene Oxide Films by Chemical Reduction and Defect Restoration
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受賞日 2021年12月9日
研究内容
グラフェンは炭素六員環が二次元配列した単原子シート状構造をもち、伝導性が高く光透過率も高いため、タッチパネルなどの透明導電膜や光?電子デバイスなど多くの応用が期待されています。一般に、グラファイト(鉛筆の芯)の酸化?還元により、単層グラフェン(正確には還元型酸化グラフェン(RGO))が得られます。高品質化のポイントはグラフェン内の欠陥量を最小化することであり、本研究では簡易なプロセスを提案しました。すなわち、酸化グラフェンをヨウ化水素とトリフルオロ酢酸を用いて還元した後、アルコール中で加熱する方法です。後者は欠陥を修復するプロセスで、結果的にこれまで報告された中で一番小さい欠陥密度を実現し、高い透明性と伝導度を示しました。
AFM image of a Monolayer GO film
受賞コメント
走査型プローブ顕微鏡に関する歴史ある第29回ICSPM国際コロキウム(応用物理学会主催)で最高のプレゼンターの1人として表彰されました。私たちの最新の研究成果が、関連分野の発展に貢献できることを確信しています。 なお、共著者である表面科学研究室のメンバー全員と私の上司である吉村雅満教授に感謝します。