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2021年度 次世代文明センターシンポジウムを開催しました。(3/1)

2022.03.07

『専門知』と『教養知』を考えるー汎用的スキルを基軸にー」と題して、オンラインで公開シンポジウムを行いました。

村上陽一郎センター長(東京大学?国際基督教大学 名誉教授/科学史?科学哲学)が基調講演を行った後、保立和夫学長(システム光波工学)、江口建教授(次世代文明センター運営協議会議長/哲学?教養教育)、三輪誠准教授(知能数理)が、それぞれ「理工知?専門知」、「人文知?教養知」、「情報知?境界知」の観点から提題発表を行いました。その後、原大介教授(英語?手話)がパネリストとして加わり、パネルディスカッションを行いました。

村上センター長の講演では、西欧において専門的学知が成立した歴史的経緯や背景が述べられた後、専門知と社会の関係、専門家と市民の「相互乗り入れ」といった視点が、医療や裁判員制度などの事例と共に解説されました。専門家の責任と、専門家と市民のコミュニケーションの中国足球彩票性を改めて認識する機会となりました。

保立学長の発表では、「理学は真理と語らい、工学は社会と語らう」というスタンスが打ち出され、覚える学習ではなく、論理的に考え理解する学習が大事であること、「自ら論理的に考える」態度とは、「帰結に対応した理由に納得する」態度であること、また、高等教育機関の役割を踏まえたうえで、専門教育と教養教育の両方を同時に推進しなければならないこと、その際、ジェネリックスキル(汎用的技能)は、教養教育だけでなく専門教育においても十分に鍛錬できることなどが強調されました。

続く江口教授の発表では、「教養」概念の歴史的な扱われ方や、「教養教育」の成立史、日本への輸入経緯、「一般教育」との違いなどが解説された後、中教審答申や日本学術会議の文書などを参照しながら、時代の変化に応じて「教養」の中身が変わってきたこと、人格陶冶から能力獲得へのシフト(教養のスキル化)が起こってきたことが指摘されました。そのうえで、専門教育でも十分にジェネリック?スキルが育成できるとするならば、教養教育に固有の使命はあるのか、また、汎用的スキルのみを単体で切り出して教育することは可能なのか、との問いかけがなされました。

三輪准教授からは、「人工知能と教養教育」という演題のもと、いわゆる物質系や機械系の工学とは異なる「情報系」としての知のあり方について解説が為されました。人工知能の問題の多くは既存の技術では解けないこと、計算的思考だけでは不十分であること、とりわけ自然言語処理は人工知能のフレーム問題を形作る特有の要素であること、プログラミングや人工知能研究は、「問題解決」という意味でジェネリック?スキルそのものであること、およそ当てはまらない事象はないという意味で、専門でありながらも教養でもあることなどが明らかにされました。

全体討論の時間では、聴講者から寄せられた質問やコメントへの回答を中心に、活発な議論が行われました。討論を通じて、「人格陶冶」を目指す「教養教育」と、「スキル(技能)」獲得を主眼とする「一般教育」という構図が浮き彫りになり、21世紀の教養教育のあり方を深く考える時間となりました。

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パネルディスカッションの様子

左上:村上センター長、上段中央:保立学長、右上:三輪准教授、左下:江口教授(モデレーター)、右下:原教授

【講演動画】

◎基調講演 村上陽一郎センター長 「専門知と教養知」

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提題発表 保立和夫学長 「理工知?専門知から」

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提題発表 江口建教授 「『教養』から『技能』へ」

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提題発表 三輪誠准教授 「人工知能と教養」

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